英アストラゼネカ製ワクチンで血栓が生じる理由
英アストラゼネカ製ワクチンで血栓が生じる理由
英アストラゼネカ製ワクチンで、まれに血栓が生じる理由に関して、ドイツの大学教授が確信的な仮説を発表しています。
英アストラゼネカ製ワクチンは、「ウイルスベクター型」というタイプのワクチンです。
それが「自己免疫反応」を引き起こし、血栓につながる可能性があるということです。
ワクチンでなぜ血栓? 手掛かり確信する研究者も
ドイツにあるグライフスヴァルト大学の血液専門家、アンドレアス・グレイナッハー教授らは、「ウイルスベクター型」ワクチンが自己免疫反応を引き起こし、これが血栓につながる可能性があるとみている。
ウイルスベクターとは、「アデノウイルス」と呼ばれる改変した無害な風邪ウイルスを使って、コロナウイルスと闘うための遺伝子情報を運ばせる技術だ。
同教授によると、この反応は英アストラゼネカ製ワクチンにみられるタンパク質と防腐剤に関連している可能性がある。
アストラゼネカ製ワクチンにみられる人間の細胞に由来する1000以上のタンパク質と、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)と呼ばれる防腐剤を特定した。
彼らは、医薬品に広く使われるEDTAによって、これらのタンパク質が血流に入り込み、PF4と呼ばれる血小板との結合を促し、抗体の生産を活発化させる合成物を形成するという仮説を立てている。
ワクチンによって引き起こされた炎症にPF4合成物が加わることで、免疫システムはバクテリアに感染したと思い込み、使われていない防衛メカニズムを誘発。これが制御不能に陥り、血栓や出血を引き起こす可能性があるという。
なお、彼らは米ジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンについては、まだ調べ始めたばかりということである。
WSJ, May 14, 2021